大きく開いた穴の埋め方

気ままに考えたことを

早寝早起きは偉大だけど秋風には勝てない話

早起きをした。早寝早起きだ。12時前には寝て、8時に起きた。普通の休日なんて4時頃に寝て11時頃に起きてる僕にとってはこれは物凄いことで、8時にパッチリ目覚められた時は言い知れぬ感動を得た。

 


朝日ってなんであんな明るいんだろ。太陽はってずっと変わらず光ってると思うんだけど、朝日だけはヤケに温かくて元気をくれる。景色を光で白くして、モヤがかかったみたいな街並みを僕は目細めながら見る。

 


マジで気持ちいい。自分がこんな健康人間の真似事できるタイプだと思ってなかった。こりゃラジオ体操も健在し続ける訳だ。この中で体動かしたら気持ちいいだろうな。風が少し冷たいから(これも秋風って感じでいい)きっと汗をかいても心地いい気候だ。

 


BGMはaikoの「もっと」だ。これいいよね。aikoの何が好きって好きとか愛してる以上の言葉でそれを伝えるところだ。言葉を指で遊んで、泣きながらあなたに伝えてるみたいな。aikoの歌って重いパステルカラーの球体が落ちて真っ白な地面に染み込んでいく。球体もつついたら消えちゃいそう。でも色はハッキリ地面に残る。

 

 

 

aiko好きの人間ってこの模様を撫でながら「うえ~ん」って泣いちゃう人間が多いんじゃないの?僕はそうだよ、泣いちゃう、赤ちゃんなので。

 

 

 

これ書いてる間に「もっと」から「秘密」、「二人」と曲が進んだ。軒並みaikoだ。今日はaikoの日らしい。バイトなのでいつまでも日向ぼっこしてる訳には行かないけど、とにかく気持ちよかったので記しておく。

 

 

 

 

 

 

P.S.

 

 

 

秋風のせいで座ってた石の椅子がキンキンに冷えてたわけなんだけど、帰宅後しっかり腹を下した。何でもかんでもエモいで済ませちゃいけない、世知辛い世界だ。

 

米津玄師の「Flamingo」に行った話

米津玄師のLIVEに行った。Flamingo、ピンク色をした可愛い鳥だなぁ、と思っていた。

こんな事を言われると各所方面から批判が来そうだが、所謂僕は“古参”だ。相当初期から彼を知っているし、好いていた。

当時小中学生だった自分はその中々ないメロディと歌詞に影響されまくっていた。イヤホンが頸動脈になったのは彼のせいと言っても過言ではない。本当に一日中聞いていた。

だからこそ少しの変化に敏感で、違和感は段々増してくる。僕の知ってる米津玄師とはこういうものだったか?好きだ、好きだけど、何か違う、何か…。そんな小さい違和感は鳴りをひそめない。

「いい曲だった、励まされた、何回も聞いてしまう、好きだ」…感想は変わらない。今も昔も大好きだ。でも僕が米津玄師を聞く時間はどんどん減っていった。聞く度に頭をよぎる違和感に耐えられなかった、変に考えてしまいそうで怖かった。

Flamingoはそんな僕のダサい思考回路を、完全に、塵になるまでブッ壊した。

LOSERから始まるセトリ。湧く観客。右手が天井に向かって突き上げられ、会場が一体になる。全員彼を見ようと思い思いの角度に顔を傾け、背伸びをしたり、位置を変えてみたりする。叫ぶ者もいる。心臓に直に響く音と声が全部ホンモノだぞと震えで僕に教えてくれていた。

立派だった。美しかった。かっこよかった。感動した。こんな言葉が全部浅はかに見えるくらい、脳味噌にドカンとデカいパンチを食らった。彼は僕が初めて自分で見つけて、好きになった、壁の向こう側で僕をこっそり支えてくれてるような米津玄師では無かった。

かっこいいなぁ。米津玄師。心の中に燻ってて、上履きに刺さってる画鋲みたいに、ちょっとチクチクするけど我慢は出来るなって思うような辛さを、繊細に表現するんだ。画鋲だって何個も刺さってたら痛いし、血が出るかも、歩けなくなっちゃう。皆それを我慢しようとする。全然大丈夫じゃないのになぁって思いながら、僕は画鋲だらけの上履きを履いている。でも米津玄師はその画鋲をそーっと抜き取って、床に刺して、飛び乗って遊んでくれていた。

米津玄師は神さまじゃない。ニンゲンだった。だから僕の画鋲も抜いてくれたし、ここにいる2万人もそうだろうなと思う。神さまなんかじゃないからここに居て、歌ってくれる。ここまで来てようやく僕は勘違いしてたことに気付いたのだ。

まじでめちゃくちゃふわふわしてたから記憶が正確じゃないとは思うけど、米津玄師は「変化は誇りだ」のような事を言っていた。もう、その通りだと思う。僕が大学生になったように米津玄師だって変わる。違和だとか変化だとか、そんなの当たり前だった。だって何年経ってんだって話だった。

ピースサインを誰よりも高く挙げた。天井に届かせようと思った。ありがとうって、めっちゃ言いたかった。好きだなぁと思った。画鋲がポロッと落ちて、間抜けに地面に刺さる。変わったけど、米津玄師はまだ僕の画鋲を抜いてくれる。

米津玄師、見えなくなるくらい遠くに行ってくれ。着いていけないくらい早く走ってくれ。どこに行っても貴方の音楽を穴だらけの上履きで待ってる人が着いてくるだろう。

幕張メッセ2日間、本当にお疲れ様でした。ありがとう。